皆さん、こんにちは。MSYのTomi(@tmkprch)です。
先日、とても嬉しく、光栄な出来事がありましたので皆さまにご報告をいたします。
昭和時代にご活躍をされていた靴職人さまの愛用の道具類をご縁あってお迎えいたしました。
経緯
発端は、このMSYのお問い合わせ欄にてHさまからご連絡をいただいたことです。
問合せがあるとシステムからMSYメンバーにメールで問合せ内容が送られてくるのですが、そのメールに問合せ内容のカテゴリーが記載されておりまして、「道具・素材提供」というものでした。このようなカテゴリーを最初に作っていた我らがブン代表の千里眼恐るべしです。
靴職人をされていたお父様が昨年お亡くなりになり、ご実家の片付けを進めているが靴道具や木型などが沢山残っており、廃棄するのも勿体ないので引き取りは可能ですか?というお問い合わせでした。
引き取りは可能ですか?も、もちろんです!
メールでのやり取りを経て先般道具、木型、資材などを無事お譲りいただき、我が家へお迎えして参りました。
道具類のご紹介
道具のご紹介をする前に、Hさまお父様のお話を少しお聞きしましたのでご紹介します。
Hさまのお父様が靴職人の道に入られたのは戦後復員してからだそうです。最初は靴メーカーに入って技術を身につけた後、都内でご自身の靴店を開業、その後都内の別の場所へ移転されて靴店を営まれておられました。ご贔屓のお客様は移転した後も20年以上ずっと通われておられたそうです。こんなお方が使われていた愛用の道具類を譲っていただけるなんて、もう感激するやら光栄至極に存じますやら言葉がありません。
では早速道具類をご紹介しましょう。
ベーガラ
まずはマニアックなこれからです。
なんと!ベーガラです。今や新品を作っている鍛冶屋さんはとても少ないと思いますし、そもそも木釘を使っていなければベーガラも必要ないのでその意味でも今や使っている人はとても少ないのではないかと思います。因みに私はフマズ部分に木釘を打ち込むのでかねてよりベーガラは欲しかったのですが、手に入らないのでプラスチックの持ち手のヤスリを改造して使っていました。
鉄工ヤスリ
続いて、何とも重厚なこのヤスリです。こんなにどっしりと立派なものはなかなかお目にかかれません。私は100均の鉄工ヤスリを使っているのですがすぐにすり減ってしまうので困っていたところです。
コテ類
なんと、コテも沢山いただきました!私は靴作りを始める前、まだ道具のことをよく分からない頃からなんとなくコテをヤフオクで買っていたのですが、ほとんどが海外のとても古いもので結果的に私の靴作りには出番のないものばかりでした。唯一奇跡的に手に入れた小島台助製の18/20サイズのコテを毎回使っていたのですが一気にレパートリーが増えました!
東京S.K製の18/20サイズです。「D.K」は小島台助さんですが、S.Kは今はあまり見かけないように思います。
東京S.K製の23/25サイズです。
このイチョウゴテ、特に首が短い方ですが、とても使いやすいです。私が使っていたのはヨーロッパのものと思われる古いものですが、もっと曲面のカーブがあるのですがこちらのは何とも絶妙な形でとても使いやすいです。びっくりしました。職人道具すごい。
東京小林製のズボラゴテ、ひうちや製10/12サイズ、東京S.K製22/24サイズ、東京S.K製の20サイズとフマズゴテのセットのもの、東京小林製のフマズゴテ28/30サイズです。欲しかったコテが一気に揃いました!
目付ゴテもありました。私が今まで使っていたものは自分で何となく加工したものですが、こちらはとても重厚です。比べると私のは尖り過ぎでした。先人の使っていた道具に接することが出来てとても勉強になります。
小口ゴテです。薄いです。
今回はここまで。まだまだ沢山ありますのでまたご紹介しますね。