2018/08/08

【ついに靴のかたちへ!】靴作りの要である底付けとは

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こんにちは、MSY代表のブンと申します。

このカテゴリーでは、複数の材料から一足の靴を作り出す、まさに靴作りの要ともなる工程「 底付け」について記載いたします。

 

 

底付け製法の種類、それぞれのメリットデメリット、自分で底付けをする際のポイントなどなど多岐に渡る情報を、靴作り初心者の方にも分かりやすいようコンテンツの充実を目指します。

 

そもそも「底付け」とは

まずは、「底付け」とは靴作りにおいてどのような位置づけなのか。
その定義と、種類を簡単にご紹介します。

 

材料から「靴」にする作業

底付けとは、大ざっぱに言うと「アッパーと底部を接合する作業」を指します。

簡単な流れとしては「木型」に「アッパー」を固定し(この作業を「釣り込み」と呼びます)、そして底となる材料を接合することで「靴」のかたちを作る、まさに靴作りの要となる工程です。

 

例えて言うならば、
材料、底付け、靴の関係は、
食材、調理、料理(調理されたもの)
の関係に良く似ています。

 

高級食材を使っても、調理法が間違っていれば美味しい料理は出来ません。
底付けも同じです。例えどんなに良質な革・精巧な木型を使っていても、底付け工程を疎かにしてしまうと靴のクオリティ(履き心地、強度)は下がってしまいます。

 

ちなみに、よく耳にする「靴の製法」とは、多種多様な底付けの方法を指します。
それでは靴の製法について見てみましょう。

 

底付け方法(=靴の製法)

世界中には様々な製法がありますが、ここでは一般的によく使われており、皆さんが靴作りをするうえでも関わりの深いであろう4製法に絞ってご紹介いたします。

 

グッドイヤーウェルテッド製法

 

中底の端に、リブテープというT字型のテープを接着します。そこへアッパーとウェルトをすくい縫いします。ウェルトを介してアウトソールを縫い付けることでつくりが丈夫になり、靴底の重厚感が出ます。

 

セメント(セメンテッド)製法

 

アッパーとソールを接着剤で貼り合わせる製法です。
樹脂製のため防水性が高く、軽く、返りもよいのがメリットです。
デザインの自由度も高いです。

 

マッケイ製法

 

中底とアッパーとアウトソールを靴の内側で一度に縫い合わせる製法です。
軽くて柔軟性がありコバの張り出しが大きくならないため、細身なデザインを実現できるというのが大きなメリットです。
また、返りが良く、足を包み込むような履き心地を感じられます。

 

ハンドソーンウェルテッド製法

 

厚手の中底にドブと呼ばれる溝を切り込み、そこからアッパーとウェルトをすくい縫いします。グッドイヤーウェルテッドと比べると構造が簡単なので返りが良く、足なじみが早いと言われます。

 

上記4つ以外にも様々な靴の製法が存在します。興味のある方はぜひ御覧ください。
革靴の底付け製法11種類の違いと特徴まとめ – みんくすのぐーぶろ。

 

 

『作る』観点からの各製法の比較

上記の製法については、既に様々な書籍やwebサイトでご覧になったことがあるかもしれません。
ただしそれは、当然ながら「履く」側の観点である場合がほとんどだと思います。

ここでは、「作る」側の観点から比較してみましょう。

 

前提条件

  • 自分の木型を持っている
  • 自宅で作業することを前提としている
  • 底付けミシンは使用しない
  • マッケイ製法で作る場合は手縫いを想定
  • グッドイヤーウェルテッド製法は大型ミシンが必要なため作ることは想定しない

 

  セメント
(セメンテッド)
マッケイ ハンドソーン
ウェルテッド
作成の
難易度

簡単

普通

難しい
作成の
所要時間

短い

普通

長い
材料コスト
安い

安い

普通

 

例えば、「作る工程をじっくり楽しみながら経験値を上げたい」方には、ハンドソーンウェルテッド製法がおすすめです。

また、「なるべく手軽に靴作りを楽しみたい」方には、セメント(セメンテッド)製法がおすすめです。

 

それぞれの製法にメリット・デメリットがあります。
細かい部分については、また別の記事でご説明いたします。

 

 

底付けをする前の準備

次は、底付けに必要な材料や工具、作業スペースについてご紹介いたします。

 

材料や工具は何があれば良い?

製法によって工具は微妙に変わります。
そちらについては追って今後のコンテンツでご紹介いたしますので少々お待ち下さい。

 

作業スペースはどのくらい必要?

自宅で底付けをするとなると、一室占領して「工房」を作らねばいけないでしょうか?

 

全くそんなことはありません。
参考までに、私の作業場所をご紹介いたします。

 

 

この程度の机スペースがあれば大丈夫です。
私はここに必要な道具を都度持ってきて、ほぼ全ての作業を実施します。
溶剤など換気が必要な場合は屋外でやることもあります。
※小さい子供がいる場合、工具類は思わぬ事故につながる危険性があります。ご注意ください。

 

道具置き場はこのような感じです。

 

 

意外に場所は取らないな、と思われたのではないでしょうか?

 

実は、結婚して子供が生まれてから靴作りを再開しなかった理由のひとつは「場所がない」からでした。子供が触ると危ないですし。
しかしそれは、「作業がおわったら片付ける」、たったこれだけで解決してしまいました。

では次におおまかな工程について見ていきたいと思います。

 

 

おおまかな工程

詳細な工程は今後コンテンツとして公開してまいりますので、ここではイメージだけ紹介いたします。
ハンドソーンウェルテッド製法での工程です。

 

中底加工

 

木型に中底を固定し、ヘリ(革の周囲)を削いだり、アッパーを固定するための加工を施します。

 

釣り込み

 

ワニという工具を使用してアッパーを木型に固定します。この作業を「釣り込み」と呼びます。
足にあった適切な木型を用いている場合、強いテンションをかけるように釣り込むことが、フィット感に大いに貢献します。

 

本底接合

 

アッパー部分と底部分を接合します。
セメント(セメンテッド)製法の場合は接着剤のみ。
ハンドソーンウェルテッド製法やマッケイ製法の場合は糸で縫う作業が必要です。

 

積み上げ

 

かかと部分を付けます。
歩き心地にも関わるため、慎重にバランスを取る必要があります。

 

以上までが底付け作業となります。

 

 

終わりに

「底付け」がどんな作業なのかざっくりとご理解いただけましたでしょうか。
大きな機械(ミシン、グラインダー)は個人で楽し範囲では不要です。
もちろんあれば可能性は広がります。グラインダー(かかとなどを削る機械)があれば作業効率何倍になるだろう・・などなど。

 

ここでは、個人レベルでも十分楽しめるというのが伝われば幸いです。

 

参考文献

・手縫い靴のすべて 佐藤幸吉・関信義著
・製靴技術テキスト2 手縫い靴編 平田秀雄著

この記事を書いた人

ブン

底付け歴50年の経験をもつ職人さんに個別レクチャーを受け、底付け技術を学びました。
結婚・引っ越しなどで靴作りを中断し7年間ほどのブランクがありましたが、Twitterでのやり取りに刺激をうけ、再開いたしました。

 

技術力はありませんが、未経験の手法にチャレンジし、自分なりの工夫を加えて実験をするのが好きです。
失敗から得られるものにこそ、特別な価値があると感じています。普通は公開したくないような自分の失敗やミスは、むしろどんどん発信します。
靴作りの趣味を広めるために2018年6月、MSYの前身である「靴作りプロジェクト」を立ち上げました。
自分の経験が皆さんのお役に立つことを第一に考えています。一緒に楽しみましょう!

 

twitter:@Wani_Fumihiro
note:https://note.mu/bunwani

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