2018/09/20

アッパーの抽出方法(中古靴を分解)

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こんにちは、MSY代表のブンと申します。

アッパーの入手方法で最も手軽で安価なのが「中古靴からのアッパー抽出」となります。サイズやデザインの制約はうけますが、気軽に始めることが出来るのでオススメです。

 

 

アッパー用の中古靴入手

中古靴を選ぶにあたっては、どんなポイントがあるのでしょうか?

 

サイズの選び方

 

靴ブランドによってサイズやウィズの特色は異なるため一概に定義するのは難しいです。
ただ目安としてはマイサイズと比較して次のサイズほど大きめだと後工程がラクになります。
釣り込み直す際のアッパーの余剰分が必要なためです。

 

サイズ 1.5~3.0cm 大きめのサイズ
ウィズ 2段階ほど大きめのウィズ

 

サイズやウィズがより大きければ、釣り込み作業はし易いですがデザインへ影響がでてきます。逆に小さければ、デザインへの影響は少ないですが、釣り込みの難易度があがります。

 

サイズやウィズ以外の要素もあります。
例えば、革の伸びしろが十分にある場合、仮に自分と同サイズの中古靴であってもリメイクが可能だったりします。
ただ、これを事前に知る事は難しいかと思います。

 

デザインの選び方

本来アッパーはそれぞれの木型に合わせてデザインされています。
それを別の木型で作り変えるので、どうしてもデザイン上の歪みがでてきてしまいます。
特にトウ(つま先)はデザインへ顕著な影響があります。

 

リメイク時の影響度合いは下記の通りです。

 

影響小
影響中
影響大

 

どこで買えば良いか

①ご近所のリサイクルショップ(実店舗)
②オンラインのフリマ・オークションサイト(ヤフオク、メルカリ、ラクマ、ジモティーなど)

 

 

やはり実物を見て選ぶのがベストなため、①をオススメしたいのですが
経験上、②のほうが安く入手が可能です。

 

①にて中古靴の選球眼を磨いてから②にチャレンジでもいいかもしれません。

 

 

アッパー抽出

ここからはアッパー抽出の手順を説明致します。

 

トップリフト&積み上げ取り外し

ヒール部分は複数本の釘が使用されています。
革包丁は釘に当たると欠けやすいため、分解用のサブ包丁、または「スクレーパー」などをお勧めいたします。

 

 

少しずつ切りながら、トップリフトをめくります。

 

 

積み上げも同様に、一枚ずつ剥がしていきます。

 

 

積み上げを全て剥がすと、本底が見えます。
※靴によっては本底とハチマキの位置関係が逆です。

 

 

 

本底取り外し

ウェルトと本底の間に包丁で切れ目を入れ、剥がしていきます。

 

 

本底を剥がすと、ナカモノ、シャンク、ハチマキが見えます。

 

 

 

ウェルト取り外し

すくい縫いの糸を包丁でプチプチと切り、ウェルトを取り外します。

 

 

アッパーに傷をつけないよう、慎重に。

 

 

ヒール部分の釘はタックスバールで浮かせて取り外します。釘が飛んでいかないように注意!
ここも、靴によっては釘ではなくからげ縫いの場合があります。

 

 

 

ナカモノ、中底取り外し

アッパーを取り外します。

 

 

 

芯材取り外し

アッパー内部のつま先部分には「先芯」、かかと部分には「月型」と呼ばれる固い芯が入っています。
鏡面磨きで靴がピカッと光ってくれるのも、この芯たちがあってこそです。

 

ハブラシにシンナー(シートディップ)をつけ、ゆっくり丁寧に除去します。

 

 

これでアッパー抽出完了です。

 

 

アッパーのケア(保湿、油分補給) 

アッパー抽出お疲れ様でした。
溶剤を使ったり、剥がされたりと、アッパーは少々疲れているかもしれません。
ここで栄養補給をしてあげましょう。

 

別の靴です

 

革の柔軟性を復活させ、その後の釣り込み作業に備えるためです。
デリケートクリーム、シュークリームなど一般的な靴磨きのケア方法で大丈夫です。

 

 

まとめ

中古靴からのアッパー抽出は、手軽で安価なだけではありません。
くたびれた中古靴を自分の手で生まれ変わらせる、壮大な取り組みのスタートでもあります。
是非トライしてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

ブン

底付け歴50年の経験をもつ職人さんに個別レクチャーを受け、底付け技術を学びました。
結婚・引っ越しなどで靴作りを中断し7年間ほどのブランクがありましたが、Twitterでのやり取りに刺激をうけ、再開いたしました。

 

技術力はありませんが、未経験の手法にチャレンジし、自分なりの工夫を加えて実験をするのが好きです。
失敗から得られるものにこそ、特別な価値があると感じています。普通は公開したくないような自分の失敗やミスは、むしろどんどん発信します。
靴作りの趣味を広めるために2018年6月、MSYの前身である「靴作りプロジェクト」を立ち上げました。
自分の経験が皆さんのお役に立つことを第一に考えています。一緒に楽しみましょう!

 

twitter:@Wani_Fumihiro
note:https://note.mu/bunwani

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