2019/06/16

【サンダル・バイ・ミー】自作メンズレザーサンダルの作り方!

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もうすぐ夏ですね。

 

たとえ厳しい冬に凍えながらこの記事を読んでいる貴方にも、次の夏は必ず来ます。
ということで自宅でレザーサンダル作って見ませんか?
自作サンダルで歩く感動を、ぜひ。

 

こんにちは、MSY代表のブン(twitter)と申します。
今回はレザーサンダル作りをご紹介させていただきます。

 

今回作るサンダルの名前は、ちょっとおふざけが入ってますが

グッドルッキングサンダル

と呼びます。

 

コンセプト

この記事で作成するレザーサンダルのコンセプト・材料費・完成図は以下の通りです。

 

グッドルッキング

見た目の良さを重視。
長距離の快適な歩行は想定しません。割り切りましょう。

 

革靴の材料・製法をベース

ベースである革靴の製法から引き算して構成してみました。
未経験者でも作成可能を想定しています。木型やコテなど専用工具をほぼ使わず、そして一切縫いません。とはいえ、製靴用の接着剤を使うため強度は必要十分です。

 

材料費

かかった材料費は、約4,500円です。※工具代は除く
この金額で楽しみながら作れて、自分だけのオリジナルサンダルが手に入ります!
工具も、最低限必要なものに絞っていますので是非ご参考にしてみてください。

 

完成図

上から

 

面積を少なくし、ウェストも絞っています。

 

横から

 

革靴と全く同じ素材を使用し、コバ(側面)は光沢が出るように磨いています。

 

構成はいたってシンプル。
「ストラップ」を「中底」と「本底」で挟み込み、「かかと」を取り付ける。これだけです!
※「中底」とは足に直接触れる部分、「本底」とは地面に触れる部分です。

 

シンプルながらも、革を切り出し・整え・接合する作業は革靴作りに共通します。この記事でグッドルッキングサンダルを作成して楽しいと感じた貴方は、より深い革靴作りに進むことができるはずです。

 

 

必要な工具

必須工具と、あると便利な工具に分けて紹介いたします。
なお、靴作り全体に関する工具はこちらの記事でも紹介していますのでご参考までに。

 

必須工具

これがなくちゃ始まらない、必須工具たちです!

 

革包丁

オルファ(OLFA) 別たち

 

防刃手袋

軍手 防刃 防刃手袋 作業用 手袋 
※思わぬ事故を起こさないよう、必ず着用してください!

 

キヤスリ

スイス製・靴やすり

 

紙ヤスリ

※#60~#600まで含んだセットがオススメです。

 

接着剤(製靴用)

ノントルエン・ノーテープ9820NT・小(角缶入)

 

ハンマー

イタリア製・製甲ハンマー小

 

あると便利な工具

続いて、あると便利な工具たちです。

 

彫刻刀

高儀 儀助 彫刻刀 バレン・砥石付 5本組
※革包丁で代用可

 

ヒートガン

ヒートガン 1800W ホットガン 強弱2段階切り替え可能
※ドライヤーで代用可

 

電動ドリル

リョービ(RYOBI) ドライバードリル CDD-1020 645801A
※木釘を打つ場合に活躍。ホームDIYなどあらゆる場面で大活躍するのであると超便利です。

 

接着剤

ボンド G17 170ml
※こちらもさまざまな場面で活躍するのでぜひ。

 

木釘

中ペース
※ストラップを木釘留めする場合に。

 

カウンターセメント

ハイボン・シーボンド 1k(ポリ容器入り)
※木釘をよりしっかり固定するために使用。

 

台金

ドイツ製・3本足 台金
※ハンマーで圧着する際の土台。あるとかなり便利です。

 

ハンドサンダー

※紙ヤスリを固定するためのものです。ダイソーなどでお求めください。

 

ほか、木工用ボンド(仮留め用)、ペンチ(革の端を圧着用)もあると良いです。

 

 

必要な材料

革靴の構成材料と全くおなじものを使います!
なお、靴作り全体に関する材料はこちらの記事でも紹介していますのでご参考までに。

 

材料

すべて、マモルオンラインショップさんで購入できます!

 

中底

タチ中底(エン革)

 

ウェルト 

ヌメ革・スクイ縫い用・シングル
※ストラップとして使用

 

本底

紳士用・国産革本底・大

 

積み上げ

積上げ(3枚貼り)

 

トップリフト

トップリフト(半化粧)

 

 

グッドルッキングサンダル作成の流れ

それでは、実際につくっていきましょう。

 

型紙作成

amazonなどのダンボールに、鉛筆でお気に入りの靴のアウトラインを引きます。

 

 

ざっくりでいいです。最終的に削って調整しますので。

 

ダンボールを切り出します。

 

 

足を置いて、ストラップの位置を決めます。
足を中央に置き、親指と人差し指の間に印をつけます。
同様に、土踏まずのあたりにも両サイド印をつけます。

 

 

※先端から何センチ、という決まりはありません。後の工程で自分で設定します。

 

印に穴を空けてからストラップを通し、一度履いてみましょう。

 

 

「ストラップの穴位置はもっと前の方がいいな、、」などと感じれば穴の位置を調整します。

 

これで型紙は出来上がりました。

 

中底&ストラップ加工

型紙に合わせて中底を切り出します。
銀面(ツルツルした面)が、足に触れる側です。

 

 

ストラップの穴もあけます。

 

 

ストラップを収めるための溝を1mmほど堀ります。ここの深さも後ほど調整します。

 

 

革包丁でも彫刻等でもお好きな方で作業してみてください!

 

ストラップを写真のように通して履いてみて、ちょうどいい長さの位置に印をつけます。

 

 

フィッティング調整もしましょう。
木工用ボンドで仮止めし、足のホールド感を確認&調整します。
ストラップの位置が確定しましたら、マジックなどでしっかり印をつけます。
飛び出た余分なストラップは切り落としましょう。

 

 

中底の溝に収まる部分は革包丁で薄く漉きます。
※もともとの細い溝が見えなくなるまで漉きます。

 

※この溝、本来は「すくい縫い」のための溝です。

 

あとは、ほぼ水平になるように中底とストラップのお互いを少しずつ薄くしていきます。

 

このくらいになればOKだと思います。

 

 

ストラップ固定&本底貼り付け

接着する両サイドに紙ヤスリをかけたあと、接着剤を薄く均一に塗布し、30分以上待ちます。

 

 

接着力をアップさせるため、ヒートガン(またはドライヤー)で熱活性します。

 

 

印を目安として貼り合わせたあと、ハンマーで叩くなり体重をかけるなり、しっかりと圧着します。

 

 

真横から見て、ストラップがほぼ水平になるよう漉きます。

 

 

 

つづいて本底も同じように接着します。

 

キヤスリで表面を荒らし、

 

 

接着剤塗布&放置したのち、

 

 

熱活性してから

 

 

圧着!

 

 

フチの部分はペンチなどでしっかり圧着させます。

 

 

はみ出た本底は切り落とします。

 

 

サンダルっぽくなりましたね。

 

 

かかと加工

続いて、かかと部分を作ります。
かかとは、地面に触れる方から「トップリフト」「積み上げ」「ハチマキ」に分類されます。

 

積み上げの枚数によって、お好みの高さに調整可能です。

 

左:かかと3段(積み上げ2段+トップリフト1段)
右:かかと4段(積み上げ3段+トップリフト1段)

 

この記事ではかかと4段で作ってみます。
なお、積み上げ3段の一番上は、加工して「ハチマキ」を作ります。

 

自分のかかとを触ってみるとわかりますが、人間のかかとの底面は平ではなく、カーブがあります。
サンダルの面も、このカーブに沿って凹ませることで履き心地が格段に良くなります。その役割を果たしてくれるのが「ハチマキ」です。
※ちなみに、一般的な靴作りでのハチマキとは少し役割が異なりますが、それは別の機会に。

 

では、作って行きましょう。
3段の積み上げから一枚(窪みのある面)を剥がします。革包丁などで切れ目を入れてから、ペンチでベリッと。

 

 

2段になった積み上げと、トップリフトとを接着します。

 

おなじみの工程ですが、両側をヤスリ>接着剤>熱活性>圧着です!

 

 

※私は本底貼り付けと同時並行して進めました。なお、ゴムの部分だけは万能ボンドG17のほうが良いです。

 

トップリフト圧着完了!
この時点で、3段になっていますね(積み上げ2段+トップリフト1段)

 

 

先程剥がした一枚を加工して、ハチマキを作っていきます。

 

斜めにスリットをいれて

 

 

このように切り出します。

 

 

ここから、ハチマキの調整です。
本体のかかと部分と、ハチマキを水に濡らして柔らかくします。

 

 

本体、ハチマキ、かかとを重ね合わせて紐かゴムなどで固定します。

 

 

全力で体重をかけて凹ませてください!
サンダルを脱ぐと、かかとの中心が窪んでいると思います。

 

 

この時点では真中に空洞がありますが気にしなくて大丈夫です。
ここでのポイントは、かかとの凹み頂点がハチマキとあっているか。

 

 

ハチマキの形状が、かかとのカーブに沿っているか確認し、必要に応じて加工してください。履き心地に影響します。

 

本体に合わせてハチマキの外周も切り回し、マジックで印をつけます。

 

 

つづいて、かかと。
完成してからではヤスリをかけづらい「アゴ」部分はこのタイミングでキレイにしておきましょう。

 

キヤスリでカーブを整えたら、

 

 

紙ヤスリをかけます。
#120>#180>#240の順でかけました。

 

※下:ビフォー、 上:アフター

 

かかと貼り付け

では、パーツを貼り合わせていきます。
まずは本体&ハチマキの接着。
両側をヤスリ>接着剤>熱活性>圧着ですね。

 

 

くっつきました!

 

 

続きまして、本体(ハチマキ含む)&かかとの接着。

 

 

両側をヤスリ>接着剤>熱活性>圧着!

 

くっつきましたー!!

 

 

このようにスキマ無く接着されていると、履いた際かかとの収まりも良いと思います。

 

 

それでは、仕上げの工程へ!

 

全体仕上げ

革包丁でお好みの形に切り回します。

 

 

ここは、思うままに好きなように。
履いたり脱いだりしながら、理想に近づけてください。
※削りすぎは注意!

 

木釘でストラップを留めたい方は、キリや電動ドリルで2つ穴を開けます。

 

 

穴にはカウンターセメントを少々。

 

 

そして木釘を打ち込みます。
底から打つか?上から打つか?
好みでいいと思います。

 

 

私は底から打ちたい気分でした。

 

つづいて側面全体に、キヤスリ→紙ヤスリをかけます。
※一般的な靴作りでは、キヤスリのあとはガラス片を使いますが、今回は使いません。紙ヤスリで代用します。

 

キヤスリで全体を整えたあと、紙ヤスリ#120でキヤスリの傷を消します。

 

 

このとき大活躍したのが、ダイソーの「ハンドサンダー」!
紙ヤスリをセットして、シャカシャカ動かすと、、、感動的な効率で削れていきます。

 

カドの部分も、紙ヤスリで整えます。
ハンドサンダーまたは木片などに紙ヤスリを固定し、カドを叩くように軽く当ててみてください。

 

ビフォー

 

アフター

 

同じ要領で紙ヤスリを#120、#180、#240の順番でかけました。

 

#240まで終わった状態です。

 

 

 

 

あとは最終仕上げ!
靴作りではフノリやロウやコテ掛けを行うのが一般的ですが、今回は靴クリームとワックスだけで仕上げます。

 

靴クリーム(ニュートラル)

 

[サフィールノワール] クレム1925 75ml

 

靴用ワックス

KIWI 油性靴クリーム パレードグロス 全色 50ml

 

コバ&ヒールにクレムニュートラルを指で塗り込んでから、ワックスも3度塗り。ネル生地でせっせと磨く。

 

ということで、完成しました!

 

 

 

 

 

 

 

最後に

 

履いてみた感想

 

作る前から分かってたことですが、革靴のようなフィット感は得られないです。

 

もしフィット感や歩行性を向上させるならば、甲またはかかとを抑えるストラップを追加してもいいと感じました。

 

あと、実は私は革靴のアウトラインではなく木型をベースに型紙を作ってみたので幅がちょっと足りない気がします。。(その改善点も踏まえてこの記事に反映させております。)
長距離には向きませんが、近所を散歩する分には問題なく、高揚感すら感じます!

 

秘めた思い

靴磨きファンの間でも、やはり注目されがちなのはアッパーの輝き。

 

しかし!「コバロマン派」の私としては、コバにも着目して欲しいです!
グッドルッキングサンダルを作った貴方は、コバへの愛着も俄然高まったものと思います。ぜひお手持ちの革靴のコバ・ヒールもお手入れしてみてはいかがでしょうか。

 

今回は「自分で作って履いてみる」を多くの方に実践頂けるように作り方を工夫してみました。この記事を見てサンダル自作にチャレンジした方は、靴作りのスタート地点に立っていると言っても過言ではありません。

 

是非、もう一歩深い「靴作り」の世界へ踏み込んでみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

ブン

底付け歴50年の経験をもつ職人さんに個別レクチャーを受け、底付け技術を学びました。
結婚・引っ越しなどで靴作りを中断し7年間ほどのブランクがありましたが、Twitterでのやり取りに刺激をうけ、再開いたしました。

 

技術力はありませんが、未経験の手法にチャレンジし、自分なりの工夫を加えて実験をするのが好きです。
失敗から得られるものにこそ、特別な価値があると感じています。普通は公開したくないような自分の失敗やミスは、むしろどんどん発信します。
靴作りの趣味を広めるために2018年6月、MSYの前身である「靴作りプロジェクト」を立ち上げました。
自分の経験が皆さんのお役に立つことを第一に考えています。一緒に楽しみましょう!

 

twitter:@Wani_Fumihiro
note:https://note.mu/bunwani

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