【中古靴リメイク】大苦戦の末、ヘビロテ必至の一足が完成しました!

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こんにちは、MSY代表のブンと申します。

カジュアル寄りの革靴が欲しかったので、中古靴リメイクで一足作る事に決めました。
コンセプトは『子供とガンガン遊べる革靴』。
苦戦しながらも、新たなチャレンジを取り入れて完成させました。

 

この靴を選んだ理由

一緒に走れる頑丈さと、公園で汚れても躊躇しなくて良い安価さ。
それと同時に、やはり靴作りを楽しむことが第一の目的です。
今回は下記のポイントでアッパー用の靴を選びました。

 

マイサイズより大幅に大きい

 

マイサイズ24.5cmに対して、この靴は28cm。
リメイクの際にデザインに影響を与えにくいプレーントウとはいえ、ここまで差があるとどうなるか?
デザインは大きく崩れてしまうのか?
それを確かめたい思いがありました。

 

謎のダミーウェルト

 

アッパーと本底の境目。
ウェルト、、のように見えるものがあります。
しかもノルウィージャン製法のような見た目。

ダミーだとは思うものの、何か妙に気になりました。
全貌を知るには、バラすしかありません。

 

この靴のお値段

近所のリサイクルショップでたった1,300円でした。
ジャンク品的な棚にずらっと並べられたうちの一足です。
この値段なら子供に踏まれても心は痛くない。

 

以上の理由からこの靴をリメイクすることに決めました。

 

なお、今回かかった費用は5800円。(工具含まず)
アッパー用中古靴1,300円に加え、底などの材料や釘やボンドなど消耗品の費用が約4,500円でした。

 

 

コストは安いですが、使っている材料は市販革靴の高級ラインと遜色ありません。

 

 

苦労したポイント

今回も中古靴リメイクですので、まずアッパーの抽出作業を行います。
詳しい方法は下記の記事をご覧ください。

アッパーの抽出方法(中古靴を分解)

 

今回は色々と苦労がありました。。

 

アッパーへのダメージ

早速ですが、上述のダミーウェルト。
これは本当に強烈でした。

 

 

剥がれない。。
溶剤(シートディップ)でも溶けにくい。。

 

アッパーと一体化してる。。

 

 

可能な範囲でダミーウェルトを除去したものの、特に土踏まずに激しいダメージ。
アッパーに深い傷が入ってしまいました。

 

 

ここで降参するという選択肢も考えましたが、、やるだけやってみようと。
ということで補修します。

 

 

同色の牛革(アッパー用)を切り出して周囲を漉いてから、ボンドでペタリ。

 

 

正直、かなり心が折れそうになっていました。
こんなはずじゃなかった、と。。

 

つま先の釣り込み

ダミーウェルトがもたらしたもう一つの問題。
写真のペンで示した箇所。

 

 

実は、空洞です。
つまり先端には中底がありません。

 

 

なぜなら
ダミーウェルトが残っている影響で釣り込みが上手く行かず。
つま先はムリヤリ靴の形に整えたためです。
木型をパテ盛りなどすれば良いかと思いますが、その時は技術もやり方も分からずこのままにしました。

 

本底接着面

見ての通り、ガッタガタです。。。

 

 

ヒールはタックスで留めたのでまだ安心ですが、問題はそれ以外の部分。
当初はセメント(セメンテッド)製法を考えていたが、本底との接着面は平らにする必要がある。
ここに問題があると、恐らく本底が剥がれてきてしまいます。

 

どうしたものか、悩みに悩みました。
そして見いだした解決策。

 

木釘(ペース)です!詳しくは後述いたします。

 

 

工夫したポイント

苦労もしたのですが、都度悩んだり工夫をすることで楽しみながら乗り越えました。

 

中底クセつけ

Instagramなどでプロの方がクセつけしているのを真似てみようと思いました。
よく見かける黒いゴムチューブがどこで入手できるのかこの時は分からず、ホームセンターでこちらのゴムバンドを入手。
※後日、ダイソーで売ってる荷造り用バンドが使えそうだと判明

 

60円。。安い。。

 

 

 

 

その後。
時間が確保できず、2週間ほど放置。
結果、木型に吸いつく中底ができました。

 

 

実際は2〜3日も置けば大丈夫なようです。

 

木釘(ペース)使用

これが今回のヒーロー。
木の釘です。
ペースと呼んだりウッドピンと呼んだり、ドイツ語ではホルツナーゲルと呼ぶそうです。

 

今回のガッタガタによる本底接合の不安を、木釘で解決しようと考えました。

 

まずは革ハギレでテスト。
革にしっかりと下穴をあけていないと、打ち込む途中で木釘が途中で折れてしまいます。
折れてしまうと、、引き抜くのも難しいので下穴は大事です!

 

 

台金をベースとして打ち込んでみると、予想以上にしっかりと固定されました!
ウッドピン製法、ホルツナーゲル製法として古くから確立されていただけはありますね。
※見よう見まねなため、私のやり方が正しいかは不明です。

 

 

晴れて、木釘は中底と本底の固定に使えると判断いたしました。

 

続いて本番です。ドリルで下穴を空け、木釘を半分の長さほど打ち込みます。

 

 

台金に載せて全て打ち込み、本底側にはみ出た頭は釘切りで落としたあと、ヤスリで整えます。

 

 

これで中底&アッパー&本底がしっかりと接合されました。

 

木釘での本底接合方法詳細については後日、底付けカテゴリーの記事で詳しく記載いたします。

 

 

ビフォーアフター

軽く靴磨きをして完成です!
磨きに関しては特別なことはやっていません(靴磨きはあまり得意ではありません・・)

 

 

 

 

そして、今回のリメイクのテーマ『子供とガンガン遊べる革靴』の通り、ガンガン遊んでます!
砂場、滑り台、ブランコ、なんでもいけます。

 

 

 

まとめ

Q&A形式でお届けいたします!

 

質問1
マイサイズよりも3.5cmも大きかった事はリメイクにどう影響したか?
ブン
意外にも、そこまで影響はありませんでした。もとのアッパーの型紙設計に依るところが大きいと思います。ここは今後ナレッジを溜めていきたいです。

 

質問2
ダミーウェルトは克服できたか?
ブン
いいえ。。。やはりアッパーへのダメージは深刻でした。
外からは見えない部分ですが、耐久性など何か影響がでた場合は、改めて共有いたします。
今後リメイクする場合、ダミーウェルトには近づかない事を誓いました!

 

質問3
中底加工において、中底を執拗に叩いたのは正しかったんですか?
ブン
木型底面が自分の足にフィットするよう精密に設計されている場合は全く問題ないと考えています。
むしろ履き込んだあとの沈み込みによるフィッティングの変化が少なくなるため良好な結果を生むようです(Twitterで交流のある、木型専門家の方より)
ただ、あまりに薄くなるほど叩くと、ウェルトのすくい縫いが難しくなる可能性が考えられます。よってウェルテッド製法の場合は考慮が必要だと思います。

 

質問4
木釘(ペース)の有効性は?
ブン
これはもう、個人的に大ヒットです!
いままで疑問を持たずにハンドソーンウェルテッド一筋でしたが、これなら頑丈さと作りやすさを両立できるのではないかと考えています。
靴作りで難易度の高い作業の一つに「縫い」があると思います。すくい縫い、出し縫い、マッケイ縫いなど。セメント(セメンテッド)+木釘の組み合わせにより、今回は一切縫わずにリメイクを完成させることができました。これを確立すれば趣味の靴作りのハードルをさらに下げることができるのではないかと期待しています。

 

 

2ヶ月ほどアクティブに履いてみた結果、全く問題はありません。強度的な不安もなくガンガン稼働しています。
ただ気がついた点として、歩くたびに木釘と革とが擦れるようなギュッギュッという音がします。
木釘全体を濡らすと鳴らなかったりするので、今後お手入れを続けたり経年で変化があるかもしれません。こちらも併せて共有いたします。

 

 

最後に

ダミーウェルトに苦しめられながらもTwitterで実況して応援いただいたり、経験者の方々やプロの職人さんからアドバイスを頂いたり、本当に楽しみながら仕上げることができました!感無量です。

 

今後とも楽しみながら発信していきますので、よろしくお願いいたします!

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