自分に合った革靴の木型の削り方【入門編】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

こんにちは、くすみです!
先日、MSY主催の木型を削る会が開催され、僕も参加しました。
今回は実際に木型を削るのが目的の会。僕も運営側での参加となりましたが、たっぷり削ってきました!

 

木型初心者の僕でも削り始められるよう教えていただきましたので、その方法など簡単にご紹介させていただきます!

 

 

今回はあくまで入門編です!
なので、すごく細かいところには触れませんが、木型作成初心者の人がなんとなくこう削れば良さそうだな…というところまで理解してもらえる記事になっている思います。
道具もそれほど多くありませんので、興味のある方は是非チャレンジしてみてください!

 

 

そして今回も講師はこの方!

 

 

木型職人の野口 達也さん(@zucchinitatsuya)です!
※詳しくは過去のイベント記事をご覧ください。

 

 

木型の削るための道具

今回はあくまで入門編なので、必要最低限の道具のみご紹介します。

 

木型

 

とにかく木型が必要です。
今回は木材から削り出すという方法ではなく、市販されている木型を自分の足に合わせて削っていきます。
なので、こういった木型をご用意ください。

 

ヤスリ

今回は細かく削って調整していくというよりは、大きく削って自分の足に近づけるところを目標にしています。
なのでしっかり削れるヤスリがひとつあれば十分でしょう。

 

 

タジマ アラカンスタンダード 甲丸刃 AK-STDR

AK-STDH と AK-STDR がありますが、AK-STDRの方が刃面が湾曲しているため、削りやすいと感じました!

 

ペンと紙

 

あとは、自分の足の型を記録するためのペンと紙があれば大丈夫です!
足型と木型の大きさを比較しながら削っていきます。

 

また、メジャーあれば尚良いでしょう。

 

 

足のボールガース、インステップガース、ウエストガースをそれぞれ計測し、足と木型と照らし合わせながら削っていきます。

 

 

自分の足に合った木型設計

設計というと少し大げさかもしれませんが、どのように自分の足に合わせた木型を作るか。そのあたりの考え方を簡単にご紹介していきます。

 

削る前の足型計測

まず、用意した紙とペンでこのように足の外周を型取ります。
また、土踏まずの内側もペンが届く範囲で型取りましょう。

 

 

 

次に、木型を削る目安になる足の中心線を決めます。
かかとの一番出っ張っている部分と、足の人差し指を結ぶようなイメージです。

 

 

そして、ボールガースの中心線。
さらに、くるぶしの位置と、中足骨の出っ張っている部分に印をつけます。

 

 

 

このように基準を設けることで、足の外周に対して木型がどれくらい大きいのかがわかってきます。
例えば僕の場合、かかとの大きさが木型に比べてかなり小さいことがわかりました。実際に指でつまんでみるとその違いがよくわかります。

 

また、このような計測だけでなく、実際の足と木型を見比べることでわかることもあります。
この木型は土踏まずの部分がかなり平面に近い形状だったので、実際の足のラインに合わせて削り込んでいけば良さそうだなぁということもわかりますね。

 

ほら、なんとなく削れそうな気がしてきませんか?

 

捨て寸の設計

次に『捨て寸』の設計です。

 

捨て寸とはつま先から靴の靴の先端の空いたスペースのことです。
足は歩行に伴って形状が変化し、縦方向や横方向に伸縮するのだそうです。なので、捨て寸があることで指が当たるのを防ぐ効果があります。

 

 

こちらも難しい話は置いておくとして、一般的なドレスシューズでは2cmほど捨て寸を確保すれば問題は無いようです。
しかし、23cmの人の2cmと28cmの人の2cmだと靴の印象も左右されるので、あくまで参考程度の数値として考えてください。
ちなみに僕は捨て寸を2.5cmとりました!

 

今回僕は、MSYメンバーの河野さんに中古の木型を譲っていただきました。
25cmの木型なんですが、ところどころ削られているものです。

 

幸い捨て寸の長さはぴったりだったのですが、23.5cmの足と25cmの木型だと、やはり足のそもそもの作りが違うので、ボールジョイントの位置がちょっとズレているのがわかりました。
でも軽微なズレなのと、僕の足が比較的小さくて細いので削って調整すればどうにかなりそうです。

 

足の甲の設計

さて、難しいのが甲の部分です。
こちらも歩行に伴って骨や肉が動く部分です。

 

普通に立っている状態であれば足の甲って割と平坦に見えるのですが、歩くと足がねじれたような動きをします。
その中で、親指側の骨は縦方向に動きやすく、小指側の骨は外側に広がることが多いので、足を押さえてあげるのであれば外側から押さえてあげるのが良いという考え方に基づいて削っていきます。

 

 

なので外足を絞り込むように(ペンで印をつけたあたり)削っていくと良いそうです。

 

 

実際に削ってみる!

 

まずはかかと部分を自分の足の幅に合わせて削っていきます。

 

こういったノギスのような幅を計測する道具もあると便利ですが、今回は入門編なのであえて使わず、足と照らし合わせながら大まかに削っていきます。

 

 

しばらく削るとかかとがだいぶ足と同じサイズになってきました!

 

 

 

次に、土踏まずの部分を実際の足に沿うように削っていきます。
このように足と比べてみると、だいぶ土踏まずがなだらかな形状になってきていることがわかります。

 

 

 

そして、最後に甲の外側で足を押さえるように絞り込んでいきます。
足の外側をしっかり押さえてくれるのもそうなのですが、甲全体の厚さも足と比べると木型の方が分厚いので、全体的に薄くするように削ります。

 

 

ここまででタイムアップとなりました。

 

もう少し甲の厚みを抑えたいのと、トゥもドレッシーな見た目になるように、少し細めに削り込んでいきたいと思います。
次回までに仕上げたいと思います!

 

 

木型素材と工具

市販されているものは、木材の木型ではなくこういった樹脂の木型が多いようです。

 

出典:マモルwebサイト

 

お値段は、マモルさんであれば ¥7,000(税抜)
マモルさんwebサイト

 

また、トミヅカさんという木型専門店でも購入できます。¥10,800(税込)
トミヅカさんwebサイト

 

amazonであれば、¥11,000(税抜)が目安となります。サイズは21cm〜29cmまであるようです。
(ナゴミグツ)靴木型・プラスチック製ラスト(amazon)

 

 

また、ヤスリにも木を削るためのものと、鉄鋼を削るためのものと、いくつか種類があるようですが、このような樹脂の木型を削るのであれば先ほどご紹介したヤスリが削りやすいと思います。
タジマ アラカンスタンダード 甲丸刃 AK-STDR(amazon)

 

 

削りすぎてしまった場合

もし削りすぎてしまった場合はパテで埋めたり、上乗せしていきます。
今回はまだその段階には至っていませんので、次回以降の記事でご紹介できればと思います。

 

ウェーブ パテ革命 モリモリ 120g(amazon)

 

 

最後に

今回は現場にいるメンバー以外にも、遠方にいらっしゃる方にもweb会議ソフトで参加していただきました。今回はzoomというソフトを試してみました!概ね問題なかったですがリモート接続についても今後模索していきます。

遠方の方にも十分満足の行く進行ができたかわかりませんが、現場の方も遠方の方も野口さんにいろいろと質問をさせていただき、かなり満足度の高いイベントとなりました。

 

改善点はいろいろとあるので今後もこういった会を主催していきたいと考えています。
気になった方は是非今後の更新情報にもご期待ください!

 

 

また、いつも親切にわかりやすく質問に答えてくださる野口さん。
本当にありがとうございました。楽しかったです!
次回もよろしくお願いいたします!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

*