こんにちは、MSY代表のブンと申します。
「木型を削ってみたけど、その先に進めない」
「正しいのか間違っているのか、よく分からない」
・・・という経験はありませんでしょうか?
私はありました。なぜなら、木型が自分の足にフィットするかどうかは一度釣り込んで仮靴を作るしかないと思い込んでいたからです。
ですが、大丈夫です。
この記事では簡易的に木型のフィッティング確認をする方法をご紹介いたします。
早くて安くて簡単に出来るので、是非ご参考にしてみてください。
まだ木型を削る体験をしていない、という方はこちらの記事を是非ご覧ください!
目次
必要な工具
この記事では下記の工具を使用しています。
- カッター(革包丁)
- 釘
- ハンマー
- 接着剤
- 荷造りゴム
どれも、靴作り専用の工具である必要はありません。お手持ちの工具で代用いただくか、全てダイソーなどで揃える事が可能です。
接着剤については、あまり強力すぎないほうがオススメです。(やり直しが効くため)
ちなみに、「荷造りゴム」はこういうものです。
みんな大好きダイソーにも売ってます!
必要な材料・素材
今回使う材料はたった3つです。
吟張中底・紳士用
こちらが安価でおすすめです。
月型芯
こちらは、本来はアッパーとライニングの間に入れるかかとの芯です。
ハギレ革
薄いハギレ革なら、なんでもいいと思います。
むしろ本革である必要すらなく、合皮(フェイクレザー)で十分です。
みんな大好きダイソーにも売ってます!
一般的な靴作りの材料はこちらの記事をご覧ください
【通販で揃う】靴作りの材料を紹介します!〜浅草に行けなくても大丈夫〜
自作簡易チェックシューズの流れ
あくまで簡易的にフィッティングを確認することが目的です。
多少の失敗(削りすぎetc)は全く気にする必要はありませんので気軽に取り組んでみてください。
木型準備(オーダー/オリジナル)
まずは木型を準備します。
プロにオーダーした木型、市販の木型、木材から自分で削りだしたオリジナル木型、何でも構いません。
そして、中底をざっくり切り落とします。木型より2周りくらい大きくてOKです。
※本当にざっくりで良いです。
中底クセつけ
中底を水で濡らしてしんなりしたら、木型底面に釘4本で止めます。
荷造りゴムでグルグル巻きにします。
ここは、ギュッと力を込めましょう。
1~2日おいて、乾燥した頃にゴムを取り外します。木型からはみ出た箇所は切り落とします。
このように土踏まずまでピッタリ吸い付いているか確認します。
あまりにも浮いているようであれば、再度水で濡らしてゴム巻きからやり直します。
かかと(月型芯)クセつけ
次に、月型芯を濡らしてから木型に釘止めします。
引っ張りながら、木型に馴染むようにハンマーで全体を叩きつつ固定していきます。
こんな感じです。
月型芯も同じように、隙間が出来ないように何度かやり直してみてください。
ハギレアッパー釣り込み
続いてアッパー代わりのハギレを固定していきます。ざっくりと切ったら釘で一カ所留めます。
あとは木型のラインがクッキリ出るように手で引っ張りながら、底面に釘で止めます。
※本来の釣り込みでは「ワニ」でしっかりと引っ張ります。
このような感じです。
接着
かかとの月型芯の釘を一度取り外してから、接着します。
私は手元にあった強力な靴用接着剤(ノーテープ9820)を使いましたが、木型修正後のチやり直しを考えると、弱めの接着剤のほうが良いですね。
中底と月型芯が接着されました。
ハギレアッパー側は、釘より内側の余った革を接着剤で固定し、釘を抜いたら完成です。
かかとにカバーのあるスリッパのような見た目ですね。
フィッティング確認
実際に履いてみましょう!
かかとの隙間、ボールジョイント・土踏まずのフィット感はいかがでしょうか?
緩い・もしくはキツいなど修正点が見えてきましたら木型の修正後、再度やり直します。
この簡易チェックシューズの利点は、簡単に作り直せるところです。
ハギレアッパー・中底・月型芯の各素材はベリベリと剥がせば再利用できます。
最後に
工具を除けば、簡易チェックシューズ一足分の材料費は600円ほどです。
自分で削った木型が、正しい方向へ向かっているのか簡単にチェックできますので、是非ためしてみてください!
なお、木型修正に使うパテは複数あります。それぞれ特徴があるようですが一例として下記をご紹介いたします。
ニオイがキツイのだけが難点ですが(屋外をオススメします!)、チューブタイプで使いやすかったです。
※パテ盛り例(別の木型)
それでは、引き続き靴作りをお楽しみください!