こんにちは、MSY代表のブン(twitter)と申します。
自宅で過ごす時間が多くなったいまこそ、気軽にレザーサンダル作りに挑戦してみませんか!
ということで、この記事では簡単・頑丈・実用的なサンダルの作り方をご紹介いたします。
左:ビルケンシュトックのアリゾナ
右:この記事で作るサンダル
製法のこだわりはこちら。
- 木型不要
- 縫わない
- 漉かない
- A4ハギレ革でOK
工程を単純化した初心者向けの製法でありながら、強度もしっかり。材料は入手しやすいものを選定しました。
ということで2年前(記事リンク)の弱点を完全克服しております。ぜひレザーサンダル作りをお楽しみください!
目次
レザーサンダルに必要な材料
フットベッド
マモルオンラインでは、まさにビルケンシュトックサンダルのフットベッドが売ってます。純正ではありませんがそのフイット感はほぼ同じ!
フットベット・紳士用 サイズL
※サイズ違いは、リンク先の関連商品参照
アウトソール
こちらはビルケン製のソールです。軽量で加工しやすいのが素敵です!
フットベット紳士LL型・抜き底
※ほかにも、色違いや同型のビブラム製ソールもあります(こちら)。お好みでどうぞ!
カシメ
ストラップを留めるための金具です。
ファミリーツール(FAMILY TOOL) 片面カシメ 大 (頭径9mm×足長6mm) ブラックニッケル 30組入
A4ハギレ革
A4ハギレは厚みごとに下記枚数が必要となります
用途 | 厚み | 必要枚数 | 備考 |
中敷き | 1.0mm | 1枚 | クロム鞣しなどやわらかい革 |
アッパー | 2.0mm | 3枚 | ヌメ革 |
ミッドソール | 3.0mm | 1枚 | ヌメ革(床革でもOK) |
A4サイズの革は比較的多く流通しており、入手が容易です。amazon、楽天、ヤフオク、メルカリなどのオークション、革屋さんなどなど・・
より詳しい革の買い方について詳しくはこちらの記事をご参照ください!
必要な工具
ハサミ
大体のものがサクサクスイスイ切れるので、サンダル作りと関係なくオススメです。2mm程度の厚みの革も(ものによりますが)、切れちゃいます。
ナカバヤシ 刃物の町、関 ハサミ職人 監修 サクットカットヒキギリチタンコート
革包丁
革を切るときのメインアイテム。
切れ味が悪くなったら替刃を交換するだけの手軽さ。もしルージュスティックがあれば、研ぎながら使えるのでオススメです。
こちらの記事をご参照ください。
カッターマット
フットベッドに沿わせてミッドソールやアウトソールを切る際、革包丁の刃を真下に向けてを垂直に下ろすと怪我もしにくいです。
そのために机にカッターマットを敷きましょう。
オルファ(OLFA) カッターマットA3 (320x450x2mm)
タッカー
アッパーの左右を繋げたり、アッパーとフットベッドとの補強に使います。今回の用途では、付属の針で十分です。
接着剤
界隈ではおなじみの、G17という接着剤でいきましょう!
なお接着の工程では、
- 接着面の両面を紙ヤスリ#60で荒らす
- 接着剤塗布
- 15分程度待つ
- ドライヤーであたためる
- 圧着する
が基本となります。室温などにも左右されるため、まず余分な革でテストしてください。
紙ヤスリ
接着面を荒らす用途と、切り回したコバ(ソール側面)を整えるために60番〜240番のセットが便利です。
E-Value 紙ヤスリセット 9枚入 #60・#120・#240
ハンマー
穴あけポンチや、カシメを留めるために使います。
穴あけポンチ
ハンマーで打つタイプはこちら。
ハンドタイプはこちら。お好みでどうぞ!
SUNDRY ロータリーレザーパンチ 穴あけ直径2.0-4.5㎜(6段階)
サンダルバイミー2の作り方
では作っていきましょう。かんたん5ステップです!
- フットベッド補強
- アッパー作成
- フットベッドとアッパーを合体
- ストラップを固定
- アウトソール貼り付け
では、それぞれの工程を見ていきましょう!
1.フットベッド補強
底面に革を貼り付ける
フットベッドの底面に、3.0mmの革を貼ります。
外周は5mmほど大きめに切り出しましょう。
はみでた部分は革包丁で切り落とします。
コバ(ソール側面)は、お好みで補色しましょう。
私はマッキーで塗りました。
中敷きを貼り付ける
つづいて中敷きの革をフットベッドの1cmほど大きく切り出します。
立体的な形状になっているため、一度革を濡らして柔らかくしてから貼り付けます。
このとき、ツルツルのクッキングシートを使うとミスが少ないです!位置を合わせながら少しずつズラして貼っていきます。
はみでた部分はハサミでカットします。
これでフットベッドの準備は完了です!
2.アッパー作成
革を切り出す
型紙はこちらからダウンロード&印刷してください。M〜LLサイズまで共通で使えます。微調整が必要であれば、ご自由にどうぞ!
<サンダルバイミー2用型紙>
型紙に合わせて、革包丁で切り出します。革の厚みや硬さによっては、ハサミでも切り出せると思います。いずれにしても、怪我には十分ご注意ください!
アッパー位置決め
一度、足に合わせてみます。
ご自分の足に合わせて、左右のアッパーの直線部分を切り落として長さを調節します。(赤線参照)
タッカーで左右を結合
位置が決まったら、タッカーでバチン!と止めましょう。針が盛り上がっていると思うので、ハンマーで潰します。
ハンマーでクセ付け
アッパーが折れる位置をハンマーで叩いてクセつけします。
このように立ち上がるようにします。
革が固い場合は屈曲部分にオイル(食用オリーブオイル)を塗布すると良いです。靴磨きが趣味の方はタピールレーダーオイルなどがお馴染みですね。
3.フットベッドとアッパーを合体
接着剤を塗布
フットベッド底面のアッパーを貼る範囲にボールペンで印をつけ、接着剤を塗布します。アッパー側も同様、接着範囲に塗布します。
フットベッドとアッパーを貼り合わせる
クッキングシートを利用して位置がズレないように貼り合わせましょう。
フットベッドに足を載せて、体重をかけて圧着します。
段差を埋める
アッパーとフットベッドの段差には、余った革を貼り付けます。
このように、ザックリで構いません。
はりつけたあとはフットベッドのフチに合わせて革包丁で切り回します。
タッカーで補強&接着面を荒らす
外周と&革の継ぎ目にタッカーをバンバンバン!と打ちます。
底面全面を紙ヤスリでガリガリ荒らしておきます。
あともう一息で完成です!
4.ストラップを固定
位置決め
ストラップの重なりの上パーツにまず穴を開け、足を入れてストラップをしめながら穴の中に印をつけます(ボールペン、キリなどなんでもOK)
※穴の大きさは、事前に余り革で確認してください。
カシメ具を穴にはめた状態です。(打ち込む前)
カシメ具とりつけ
何か固いものを台にして、上からハンマーでトントントン・・・と優しく何度も叩くことで固定します。
向かって左が打つ前、右が打ち込んだ状態です。
レザークラフトの経験のある方は、え・・?と思われるかもしれません。
カシメの取り付けは、通常は専用の工具を使います。こうすることで球面がふっくらしたまま取り付けが可能となります。
5.アウトソール貼り付けて完成
これまでと同様に、接着面をしっかり紙ヤスリで荒らして、接着しましょう。
体重をかけて圧着し、フットベッドからはみ出た部分は革包丁で切り落として整えたらたら、ついに完成です!
さいごに
自作サンダルの完成おめでとうございます!
そして、完成と同時に「メンテナンスしつつ大事に履き続ける」ことの始まりです!
カカトがすり減ったときはそのパーツだけ切り出して修理したり、カスタムしたりと楽しみ方も自由自在です。
工夫ポイント
モデルとなった、ビルケンシュトックのアリゾナは、写真のとおりフットベッドのコルク層が破断してしまいました(約9年着用)。
サンダルバイミー2ではこれを防ぐためにフットベッド底面に補強革を貼りました。
この補強革に厚みを持たせたことで、タッカーを効かせる効果も期待できます。
もっと興味をもった方へ
自作したサンダルを履く喜びを知った方は、本格的な靴作りにトライしてみてはいかがでしょうか?我々MSYはそんな方々と楽しみながら並走していきたいです!
不明な点や相談などございましたら、ぜひご連絡ください。