2019/06/25

車に轢かれた革靴。再生へのリアルストーリー【MSYブラックジャック第三夜】

  • LINE

ピノコ解体

2019年4月某日。
IWA氏は慎重にピノコを解体していた。ひとつひとつ慈しむように、また、後工程で綺麗に元に戻せるようにと、解体した各パーツを丁寧に並べていた。

 

 

※1:2枚目の画像、左から「アッパー」「ウェルトとハチマキ、中にシャンク」「中底」「本底」「ヒール」

 

やはり左足のトウの周りの損傷は激しい。思った以上にちぎれてしまっている。

 

 

※2:ウェルトとアッパーを留める掬い縫いの穴ごと強い力で引きちぎられたため、穴が大きく拡がり、引き裂かれてしまっている。

 

右足の方はかかとの芯材の潰れだけなのでアッパーも綺麗に残っている。釣り込み直しても大丈夫そうだ。

 

※3 本来の掬い縫い穴はこのような感じである。

 

 

木型

さて、問題は木型である。
IWA氏はほぼ同じサイズと思われる自分の木型との適合度を見ようと中底を取り出した。

 

 

 

左足は掬い縫い糸のちぎれた箇所が中底にまでダメージが及んでいる。

 

 

新しい中底を作るために厚みも計測しておこう。
中底の形を紙に写し取り、IWA氏所有の木型のそれとの差異を確認する。

 

IWA氏は驚きのあまり思わず声がかすれてしまった。
「ラ、ラッキーが半端ねぇ。。。」

 

 

なんと、IWA氏所有の木型の中底とピノコのそれとは極めて近い形をしていたのだった。
つま先と踏まず部分に僅かな差があるだけ。これは偶然か紙のいたずらか、、、いや神のいたずらか!

 

削るのではなく盛るのであれば元に戻せるのでIWA氏はそのまま自分の木型で作業を進めることとした。さっそくパテでモリモリしてみる。

 

 

ひやあつ氏の日頃の行いが素晴らしいのか、はたまた運命のいたずらか。トウ部分を一部パテ盛りしただけでほぼ同じ木型が完成してしまった。

 

 

中底加工

勢いがついたIWA氏はどんどん作業を進める。
新しい中底を切り出し、銀面を剥いでおく。

 

 

水で濡らした中底を木型の底に釘で留め、木型の形に沿うようにゴムで圧迫しながら乾かしていく。

 

 

ボールガースのラインを元に中底設計をしていく。

 

 

 

人間、作業がノッてきて集中すると写真を撮るのを忘れてしまうものだ。
気がついたらあっという間に中底が完成していた。

 

 

中底はいわばピノコの骨格。見事に美しい骨格に仕上がった。

 

さあピノコ、次はこの骨格の上に君の身体を整えていくよ。

 

 

第四夜へつづく

 

 

第一夜

第二夜

・第三夜(イマココ)

第四夜

第五夜

第六夜

最終夜

この記事を書いた人

Tomi

レザークラフトを10年以上趣味として続けており、名刺入れなどの小物からダレスバッグなどの鞄まで一通り経験。いよいよ次は靴作りだとチャレンジを始めました。
道具マニアでもあるので、靴作りのチャレンジは靴作りの道具集めから入りました(笑)

 

書籍や修理屋さんのブログなどで作り方を調べ、独りで試行錯誤しながら踵修理を入り口にオールソールまでやってみたところで、MSYに出会い、Twitter界に靴作りへの熱い想いを持つ人達がいることを知り大喜び。
次第に交流を深めるうちに、気付いたらメンバーのひとりになっていました。

 

きっと、かつての私のように靴を作りたい想いを抱えながら、どうやって作れば良いかよく分からない人達がたくさんいるんだと思っています。早くそんな皆に出会って、一緒に、賑やかに、靴作りを楽しみたいです。

 

twitter : @tmkprch
note : https://note.mu/merrygoround2030

SNSでシェア!

  • LINE

RELATED関連記事

RECOMMENDEDおすすめのサイト

COPYRIGHT © Make Shoes Yourself ALL RIGHTS RESERVED.